蜂の巣の探し方、蜂の子の採取方法

通販や産地の店舗には大量の蜂の子製品が並んでいます。伝統的な手法だけでは安定的に供給するのは難しいものです。今回は、伝統的な巣の獲得手法と需要に応えるための蜂の子の管理方法の工夫についてご説明します。

蜂の巣の探し方

蜂の巣の探し方は昔からの方法と違いはありません。蜂の移動経路や営巣場所になりやすい周辺を観察して見つける方法と蜂に目印を付けた餌を巣まで運ばせて見つける方法です。蜂追いには見つけやすい目印や蜂が運びやすいエサの大きさの調整など、ベテランの経験や技術が必要です。昔と現在の違いは、昔は貴重なタンパク源として食料にするための捕獲であり、9月下旬頃から行われていました。現在は、販売が主目的となっており、梅雨明けの7月下旬頃から盆明けの8月中旬頃まで行われます。この時期は、まだ巣は小さく、行動範囲も狭いため、巣を見つけやすいという利点があります。蜂獲り専用の煙幕でいぶし、成虫がショックで動けないうちに巣を獲ります。

獲る蜂の子から育てる蜂の子へ

販売のために早めに採取された巣は、自宅や倉庫、敷地内などで、蜂箱に入れて養殖します。ベテランになると、蜂の経路の予想も的確になり、1日に複数の巣が獲れることもあるといいます。そうして獲得した蜂に餌を与えながら、動きや巣への出入りを見ていると癒され、愛着さえ感じるといいます。他の家畜の世話と同じで、巣の獲得から育てること自体が魅力となっています。

蜂の子の採取と出荷

蜂の子の繁殖の最盛期の10月下旬頃になると出荷の時期になります。養殖は身近なところで成長管理ができますので、最適のタイミングで順次出荷することができます。この時も煙幕でいぶしながら巣を取り出し、蜂の子を採取します。つぶさないようにピンセットで幼虫やさなぎを一つ一つ取り出す作業も変わらず地道な努力が必要です。

蜂の子増産と安定供給のための取り組み

地域によっては、蜂の子の生産性を高めるための活動も行われています。親蜂の育成活動、蜂の子の生育環境の改善や整備にも取り組むグループもあります。蜂の子は自然環境の産物ですから短期間での増産は難しいものです。しかし、ミツバチのように養蜂家の管理の下で飼育できるようになれば蜂を追いかけて走ったりする必要がなくなり、安定した供給も可能となるかもしれません。

蜂の巣の探し方や蜂の子の採集方法の基本的な部分はまだ従来と変わることはありません。しかし、増加する需要に応えるために徐々に効率的な方法へと変化しつつあります。近い将来スズメバチの養殖が可能となることを期待したと思います。

(参考文献)
蜂の子に旬はあるのか?
http://oita-kaigo.moo.jp/02.html